新ハムレット 徒然なるままに

The New Hamlet

ゴールデンウイークは終わり、いつもの日常に戻った。

休日は多くの人が休みになる。

今日から仕事が始まる人も多いだろう。

コロナの影響により、自宅でリモートでの仕事を行っている人も多いかもしれない。

私は、普通の人が休みになると少しほっとした感じになる。

休んでいて何もできない自分が許せないのであろうか。

休んでいるのは自分だけではないと思うと気が楽になる。

しかし、休日は必ず終わり、多くの人は休みから現実へと引き戻される。

多くの人は一生休みだといいのにと思うかもしれない。

誰にも干渉されることなく、自分が好きなことだけやっていけば良いと思うのは当然なことであろうが、いざ、そのような状態に置かれたら戸惑ってしまうのではないかと思う。

何不自由なく生きるだけの大金持ちなら時間の使い方、人生の楽しみ方は分かっているかもしれない。そんな身分になってみたいものだ。

何も出来ずに、パソコンの前でマウスを動かして、ネットをして時間が過ぎていくのを待つことほど辛いことはない。

あの裏切った2人に復讐したいと思う。

信じていた人に裏切られ、病気になり、何も出来なくなってしまったとしたら、あの2人に復讐心が目覚めるのは致し方ないが、それ以上突き詰めても、相手が折れる訳はないので、勝負はもうついている。

なぜ、あの2人は嘘をついているのだろうか。出世のため、家族のため、変な者に係わりたくないため、色々な理由があると思うが、嘘をついて良心の呵責は感じないのだろうか。それとも、嘘をついて、私の一生を棒にしたこと等忘れてしまったのだろうか。

そのような人間を信頼した私が単なるバカなのか。

あの時、釣りをしながら、あるいは、飲みながら話したことはその場限りのことだったのか。あれは本音でではなく、自分が出世していくための単なるたわごとだったのだろうか。

ここまでなんとかキーボードを打ちこんでいた、彼は手を休めて、空を見上げた。2階から見上げる空は、電信柱の線が邪魔して、きれいな青空は臨めない。良く晴れたいい天気だ。スズメの鳴き声も、狭い道を通り過ぎる車の音も何も聞こえてこない。このような平穏に見える日常が彼の日常である。どうやら続きを書くのを諦めたように見える。続きを書こうとはしているのだが、その2人の笑い顔が頭に浮かび、もうどうでもよくなったのか、読みかけの本に目をそらしている。その本を読もうかどうか考えているが、まだ読む気にならないらしい。ハムレットの第2独白を思い出そうとしているが、初めの1行と、Vengence! という台詞しか頭に浮かんでこない。

静かな平穏がスズメの小さな鳴き声に破られる。1台の車が下の道路を走り抜けていった。

彼は、スズメの鳴き声と時折通り過ぎる車の音を聞きながら、カーテンが半分開いた窓の外を茫洋として眺めている。

The New Hamlet

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竹 慎一郎

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