古典芸能への招待 歌舞伎「年増」「女殺油地獄」

古典芸能への招待
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中村時蔵の舞踊「年増」(としま)

「年増」とは、日本の舞踊家である中村時蔵が創作した舞踊の一つで、主に女性が踊る妓楼(遊女屋)を舞台にした作品です。

この舞踊は、妓楼で働く女性たちが、年をとっても美しさと気品を失わず、時代とともに変化する環境の中で、自分たちの生き方や愛情を描いたものです。中村時蔵が演じた際には、女性の役どころを演じ、女性たちの内面や感情を表現することに注力しています。

「年増」というタイトルは、女性が歳をとっても美しさを失わずにいることを表した言葉であり、中村時蔵が舞踊家としてのキャリアを重ねるにつれて、この作品が彼の代表作として知られるようになりました。

片岡愛之助主演の「女殺油地獄」(おんなごろしあぶらのじごく)

「女殺油地獄」とは、歌舞伎役者の片岡愛之助が主演を務めた演目の一つです。この作品は、江戸時代に実際に起きたとされる「お岩とお磯事件」を基にした物語であり、女性たちが残酷な仕打ちを受ける様子を描いています。

物語の舞台は、油屋と呼ばれる油商人の家であり、家の主人である石田平八郎が、美しい女性・お岩と恋に落ちます。しかし、石田平八郎の妻であるお静や、石田の下女たちが、お岩を妬み、次第に彼女たちに対する虐待を始めます。

この作品では、女性たちが受ける身体的な苦痛や心理的な苦悩が描かれ、彼女たちの苦しみが観客に強く訴えかけます。片岡愛之助は、主人公の石田平八郎を演じ、彼の葛藤や後悔を表現しています。

「女殺油地獄」は、江戸時代に上演された歌舞伎の演目であり、現代においても多くの歌舞伎役者たちによって演じられ、その美しくも残酷な世界観に多くの観客を魅了しています。

「お岩とお磯事件」とは、江戸時代の元禄12年(1699年)に、江戸の芝浦の油屋で発生した事件のことです。この事件は、「女殺油地獄」のモチーフとしても有名です。

事件の背景には、油商人の石田平八郎が、美女のお岩と恋に落ちたことがあります。しかし、石田の妻であるお静や、石田の下女たちが、お岩を妬んで、彼女たちに対する暴力や虐待を始めました。最終的には、お岩と、彼女を庇ったお磯という女性が、石田の手によって殺害されたとされています。

この事件は、当時の世間に大きな衝撃を与え、多くの人々に知られることとなりました。その後、この事件を題材にした「女殺油地獄」という演目が作られ、今日に至るまで多くの歌舞伎役者たちによって演じられています。

片岡愛之助
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竹 慎一郎

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