最後の終礼

こんな高校があった。

授業中に水飲みに行っていいですか、と言って何人も教室を出て行く。

授業中机に手を投げ出し寝ている。起こしても起きない。

自分が食べた飴玉の小袋は教室にぽいと捨てる。ガムが廊下にはき捨てられている。

掃除は言われないとしない。出来ない。

物がよく無くなる。自分の持ち物の管理ができない。

教師に暴言を吐く。生徒指導部に連れていかれ反省文1枚、すいませんでした、という言葉に反省が感じられない。指導はそれで終わり。本人は何も変わらない。

分数・小数の計算が出来ない。授業は中学校の繰り返し。

卒業後、就職で車の免許が必要になるが、免許が取れない。

授業は私語が多く、成り立たない。勉強は分からないのでしょうがないのだろう。

問題行動は半年で50件、問題行動を起こした生徒は、謹慎中だけは大人しいが、その後は元に戻る。指導が効かない。

他の先生たちは慣れてしまい、そういう生徒たちをうまく処理できる。

私は出来ない。許せない。どうしても慣れない。もちろん、普通の生徒もいる。よく言葉が分かる生徒もいる。

最後の終礼。

明日から入院します。担任も教科坦も代わるけど頑張って下さい。

「入院したら高血圧に効く食べ物を差し入れしてやるよ。」笑いながら、椅子を後ろに半分倒しながら一人の生徒が投げ捨てるように言う。

この言葉は忘れられない言葉となった。

私が高血圧で入院すると思っているらしい。

病名は言いたくもない。なめられたものだ。

安定剤が効いてないと、私も何をするか分からない状態だったと思う。

多分、椅子で叩きのめしていただろう。

客観的に考えて、そういう風に考える私自身も異常であることは間違いない。

私は何を言っても無駄だと思い、さようなら、とやっと告げた。もう何も言いたくもない。

私の力では無理だ。この子たちを成長させるには、体力も元気もない。

30代であれば、やれたかもしれないが、

今はもうしたくない。限界だった。だから、そこを離れることが1番だと感じた。

これが、最後の終礼となった。

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竹 慎一郎

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