東野圭吾 おすすめ ベスト4 村上春樹を越えた作家。あなたのベスト1は何ですか?

東野圭吾、1958年大阪府生まれ。大阪府立大工学部卒。1985年「放課後」で第31回江戸川乱歩賞を受賞して作家デビューを果たす。

1999年、「秘密」第52回日本推理作家賞


秘密 (文春文庫)

2006年、「容疑者Xの献身」第134回直木賞


容疑者Xの献身 スペシャル・エディション [DVD]

2012年、「ナミヤ雑貨店の奇跡」第7回中央公論文芸賞


ナミヤ雑貨店の奇蹟

2013年、「夢幻花」第26回柴田錬三郎賞


夢幻花(むげんばな) (PHP文芸文庫)

2014年、「祈りの幕が下りる時」第48回吉川英治文学賞


祈りの幕が下りる時

輝かしい経歴の持ち主だ。

映画化された作品も20以上ある日本で代表的な人気作家である。

2021年で63歳。27歳のデビューから、現在2021年まで36年間ほとんど絶えることなく作品を発表し続けている。およそ380冊以上の作品があると思われるので、1年で10冊以上出版する多作家でもある。

東野圭吾と言えば、ジャンルは推理作家と言われるのだが、その作品は単なる推理作家に終わらない。推理小説と言えば、事件の解決を推理し結論に結び付けられるという筋が一般的で、その推理の面白さに推理小説の面白さがあると思われるが、東野作品にはその中にヒューマンの要素を加えた所に大きな特色がある。

犯罪の背後にある人間の心理の描写は、単なる推理小説の枠をはるかに超えている。そこに東野作品の魅力があると思う。

作品の傾向も様々で、東野自身が工学部の理系の出身である所から、理系の視点からの作品も優れている。その理系の中に、文系の心理描写が加わるのであるから、内容に奥深さを与えている。

加賀恭一郎シリーズ(「卒業」「眠りの森」「どちらかが彼女を殺した」「悪意」「私が彼を殺した」「嘘をもうひとつだけ」「赤い指」「新参者」「麒麟の翼」「祈りの幕が下りる時」)

ガリレオシリーズ(湯川学が主人公)

ラプラスの魔女シリーズ(「ラプラスの魔女」2015年、「魔力の胎動」2018年)

などのシリーズ物もあるが、単独のストーリーもあるので読者は飽きることはないだろう。

こんな人気作家であるので、たいてい2.3冊は誰しも読んでいるもので、話の話題にもなりやすい。

飲み会などでも東野圭吾の中で好きな本を挙げるだけで、その場が盛り上がったりするものだ。本の傾向で、その人の人格が分かってしまうのは面白いと思う。私はどんな作家が好きですか。どんな本から影響を受けましたか、と聞かれると正直に言いたいとは思わないのであるが、東野圭吾の中で何が好きですか、と言われると正直に答えることができる。

それが、他の人と同じなら、余計親近感が芽生えると言う訳である。逆に、何故こんな本を挙げるのかと思う場合もある。

「ダイイングアイ」をベスト1に挙げた人とはいつも気が合わないと思っていたのであるが、本の傾向からして、全くこの人とは会わないはずだと思ったこともある。私の中では「ダイイングアイ」はベスト30にも入らない。その人は本当に本が読めているのかと疑ったものである。

380冊以上ある作品の全てを読んだわけではないので、私の好みに過ぎないのであるが4冊だけ挙げてみようと思う。どれもベスト1にふさわしいと思う。

まず、「容疑者Xの献身」である。この本は、究極のラブストリーである。映画も優れていると思う。この本を読んだ時の衝撃は忘れることはできない。全身が震え、涙が止まらなかった。この作品は、芥川賞以上だと思った。本の最後に、直木賞受賞作品だと書いてあったので、そんなことも知らなかったのかと思ったものである。

英語版は、The devotion of suspect X です。The Devotion Of Suspect X (English Edition) Kindle版

「容疑者Xの献身」からむさぼるように読んだ。「魔球」「白夜行」「トキオ」「手紙」「さまよう刃」「夜明けの街で」っている作品を挙げると止まらなくなる。マスカレードシリーズを読むと非常によくできたストーリーだと感心してしまう。ガリレオシリーズの理系色が強く出ている作品は少し苦手な分野に入るが、「真夏の方程式」は悲しい結末だった。

しかし、「容疑者Xの献身」の次には「赤い指」を挙げたい。加賀恭一郎が出てくる、ある家族での悲しい出来事である。こんなに見事に家庭の悲劇を描いた作品は、天童新太の作品を思い出させる。涙が止まらなくなって困った結末であった。

次に挙げたいのが、「麒麟の翼」である。これも加賀恭一郎ものである。「新参者」を読んでから読むといいと思う。この後には、「祈りの幕が降りる時」という大作が書かれる。

そして最後に「ラプラスの魔女」を挙げたい。理系の要素が興味深い作品であるが、その理系の中にある混沌の要素を、人間の心理と絡み合わせた傑作である。この作品で登場した円華は「魔力の胎動」で再び出会えることになる。「ラプラスの魔女」の完成度の高さは世界文学にも匹敵すると思う。

どの作品をとってみても、何と魅力的な登場人物が多いことであろうか。

それにしても東野圭吾の尽きることのない才能はどこから来ているのだろうか。

2021年4月7日発売の「白鳥とコウモリ」はまだ読んでないので楽しみである。

もう、日本で、村上春樹を越えている作家は、彼しかいないと思う。

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竹 慎一郎

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