東京、新宿。表と裏の世界。日本を訪れる外国の方へ。

The darkness in Japan

新宿駅を東口に出ると、目の前にはアルタの電光掲示板が目に飛び込んでくる。

その通りを真っすぐに進んで行くと、紀伊国屋書店が見えてくる。

通りの幅は、狭くいつも人であふれている新宿通りだ。

新宿駅から、新宿3丁目方面に向かう人、新宿駅方面に向かう人の2つの流れが規則正しく動いている。

しかし、その2つの流れの中に、ポツンと何のせずに、通路の真ん中に立っている人がいる。

一人ではない。ある間隔を置いて、立ち尽くしている人の存在に気付くようになった。

さらに、注意してみると、通路の脇にも何もせずに、ただ立っている人がいるのにも気づいた。

西口の方に歩いていくと、人の流れは若干少なくなるが、通りには必ずと言っていいほど何もせずに、等間隔と思えるほど正確に、ぽつりと一人立ち尽くしている人がいることも分かるようになってきた。

人の流れは、その人たちを巧妙に避けて、2つの方向によどみなく進んで行く。

たいてい、男の人。しかもあまり若くはない。しかし、お年寄りはいない。30代から40代に見える。

何をしているのだろう。不思議に思えてくる。

通路の真ん中に立ち尽くした人がいるのなら、歩くのも邪魔ではあるが、注意する人は誰もいない。流れには逆らっているように見えるが、決して流れを妨害することはない。

ただ立っているだけだ。

アメリカのニューヨークに行った時、たとえ昼間であっても、立ち寄ってはいけない場所があるのを感じた。特に外国人は危ないと肌で感じたものだった。

しかし、日本にはそれに近い場所はあるのは間違いないことであるが、昼間外国人が金目的で襲われることは無きに等しい。

日本の治安はその点素晴らしいと思う。

私は、そのような場所で昼間から飲んで酔っ払った時代があった。酔いつぶれて道路で寝てしまうと、履いていた靴を盗まれていたが、その程度である。置き引きには気を付けた方がいいが、銃で襲ってきて金品を奪われるといったことは日本では考えにくいのである。

では、新宿で何もしないで立ち尽くしている人は誰だと思いますか?

そう、彼らは話かけられるのを待っているのです。

彼らに頼むと、大抵の物を買うことができます。日本でお店でもネットでも売られていない物です。

需要があるのです。

そのことだけは、日本を訪れる外国の方に知っておいてほしいと思い書きました。

The darkness in Japan

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竹 慎一郎

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