he, she の訳語と無生物主語の構文を取りあげてみます。
he「彼は」、she「彼女は」と私たちは中学生から教え込まれていますが、goo 辞書には次のように書かれています。
私たち日本人は、彼とか彼女という時には、普通後者で用いています。これを英語に当てはめると日本語はかなり不自然なものになってしまうのは当然でしょう。
「彼」「彼女」と訳さないか、あるいは人名を明記すれば上手くいきます。
簡単な例文をみていきましょう。
He, She の場合
His name is Jim. He is a boy. He is 13 years old.
この文を次の翻訳ソフトで訳すと次のようになります。
名前はジム。彼は男の子です。彼は13歳です。(DeepL)
彼の名前はジムです。 彼は男の子です。 彼は13歳です。(Google 翻訳)
Kare no namae wa jimudesu. Kare wa otokonokodesu. Kare wa 13-saidesu.
彼の名前はジムです。彼は少年です。彼は13歳です。(本格翻訳10)
DeepLが、初めの文を「名前はジム」と訳したのはすごいですね。彼の連発は、Google翻訳でも、本格翻訳10でも同じ結果となっています。
試訳:ジムは13歳の男の子です。
3文が1文に変わりかなりすっきりしたと思います。
この試訳を英語にしてみると次のようになります。
Jim is a 13-year-old boy. Jim is a 13 year old boy. (DeepL)
Jim is a 13 year old boy. (google 翻訳)
A gym is a 13 -year-old boy. (本格翻訳10)
DeepLもGoogle翻訳も同じ結果になりましたが、本格翻訳はジムをgym と訳してしまったのは致命的ですね。
無生物主語の場合
次に、元々日本語には存在しなかった「無生物主語」の英文をみていきましょう。明治時代に外国文学が日本に入って来たのだと言われています。この「無生物主語」の構文を、副詞的に訳して、人を主語にして訳した、翻訳家の言語感覚はすごいと思います。同時に、日本語の中にも、無生物主語の直訳の表現も入って来ましたね。「何が彼をそうさせたのか?」などは、現在の日本では全く自然だと思います。
「無生物主語」の典型例を一つ挙げてみましょう。高校で必ず習いますよね。「激しい雨が彼が外出するのを妨げた。」と訳すとやはり不自然ですね。基本的には、「無生物主語」の構文は、主語を副詞的に訳せば上手くいきます。
Heavy rain prevented me from going out.
大雨で外に出られない。大雨で外出ができなかった。大雨で外出できなかった。大雨で外出できず。(DeepL)
大雨のため外出できませんでした。Ōame no tame gaishutsu dekimasendeshita. (Google 翻訳)
Google翻訳には、次のような書き換えの文も表示されていました。
I couldn’t go out because of heavy rain.
大雨のため、私は、外出できませんでした。(本格翻訳10)
DeepLは4つも表示されていました。「大雨で外出できず」という訳は、時と場合によっては使える表現ですね。
最後に下の文章のGoogleでのヒット数を載せておきます。
Heavy rain prevented me from going out. 256,000,000件
I couldn’t go out because of heavy rain. 142,000,000 件
これをみても分かる通り、英語のネイティブは「無生物主語」を多く使っていることが分かります。
これからは、「彼」「彼女」と訳すのは止めましょう。省略するか人名に置き換えれば上手くいくと思います。
無生物主語の構文は、主語を副詞的に訳せば上手くいきます。~なので、~のために、などです。
DeepLには驚かされています。これが無料で使えるなんてすごい世の中になったものですね。
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