自民党の派閥の政治資金を巡る事件で、安倍派の幹部らが不起訴処分となったことを受けて、市民団体が検察審査会に審査を申し立てることが分かりました。
検察審査会とは何かを知っておきましょう。
不起訴が覆るかもしれないからです。
検察審査会とは、検察官の不起訴処分に対する市民からの申し立てを受け付け、その妥当性を審査する制度です。
検察審査会の進行は以下のような流れになります。
- 不起訴となった事件について、不服を持つ市民や団体が検察審査会に審査の申し立てを行う。
- 検察審査会は申し立ての内容を検討し、必要があれば関係者から意見を聴取する。
- 検察審査会の委員が不起訴処分の妥当性について審議・採決を行う。
- 採決の結果、不起訴不当と判断された場合は、検察審査会は検察官に対し再捜査を求める勧告を出すことができる。
- 検察官は勧告を受けて事件を再捜査し、起訴すべきと判断した場合は改めて起訴する。
- 申し立てから勧告までの審理は非公開で行われ、結果のみが公表されるのが通例です。
検察審査会は、検察の不起訴処分に対するチェック機能を担う制度です。今回の申し立てが検察官の起訴判断を覆す可能性があるか注目されます。
これまでどのような案件があったのでしょうか?
検察審査会がこれまでに関与した主な案件としては、以下のようなものがあります。
田中角栄元首相の不起訴審査(1976年) – 収賄事件で逮捕された田中角栄元首相に対し、検察審査会は不起訴を決定。審査の公正性に疑問が呈された。
スーパーフリー事件(1989年) – 顧客資金流用事件で再捜査を指示し、起訴に至る。
HIV感染死亡事件(1999年) – 感染源の輸血ミスで再捜査を指示し、起訴に至る。
小沢一郎氏の政治資金問題(2010年) – 政治資金規正法違反疑惑で起訴された小沢一郎氏に対し、検察審査会は不起訴を決定。物議を醸した。
いじめ自殺事件(2011年) – 中学生のいじめ自殺事件で、再捜査を指示し起訴に至った。
薬品偽装事件(2013年) – 医薬品の有効期限を偽装した事件で、再捜査の勧告が出された。
データ改ざん事件(2018年) – 自動車会社による燃費データの改ざん事件で、再捜査を指示し起訴に至った。
東京高検特捜部長の不起訴審査(2019年) – 特捜部の捜査手法を問題視する告発に対し、検察審査会は不起訴を決定。検察への批判が高まった。
まだこの事件は終わっていないのです。
5人衆の皆さんへ。
検察審査会 日本の刑事司法を変えるか
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