2022年12月、宮崎で演劇が見られる機会はそうはないので、主演の田中圭ということで興味が湧き観に行った。
宮崎県立劇場は約1000人のキャパシティーで大きな劇場と言える。ここでは音楽のコンサートや公演など幅広く利用されている。
座席の幅が狭く座っていると、隣の人の腕が当たるので決していい客席とは言えないのであるが、日曜日の午後1時半入場、2時開演で、座席は満席だった。
私の席は、2階席の前方、5000円のB席。1階は7500円、3階席は3500円だったと思う。
2階席では細かな役者の表情を観るのは不可能だと思い、オペラグラスを準備して行った。
舞台は、幕は降りていない。
舞台中央だけが使われ、舞台の両端は幕が引かれている。
舞台の中央だけを使ったこじんまりとした舞台の外観である。
舞台の中心には、10畳ほどの畳の上にちゃぶ台一つ置かれているだけである。下手奥に階段が見える。
上手に家の玄関があるが、ドアは設置されていない。また、上手の奥には電話があるがそれも設置されていない。
非常に簡素な舞台である。
「夏の砂の上」というタイトルからして、舞台中央にひかれた畳が砂を象徴しているのであろう。
主役の田中圭の台詞は、そのちゃぶ台に座ったままうつ向きかげんに発せられる。
それゆえ、声がこもって何を喋っているのか分からないシーンがあまりに多かった。
田中圭の演技を支えるのは、女性の役者であり、田中圭の始終ちゃぶ台に座って、ぶつぶつ話すのは演出とはとても思えない。
役者の力量不足は否めない所である。
脚本は、松田正隆。何の面白みのない筋書きで、田中の声がこもって聞こえないので、肝心なストーリーは辿ることはできなかった。
演出は、栗山民也。舞台にはちゃぶ台だけの簡素な舞台なので、劇の面白さは役者の台詞にかかっているのであるが、
いかんせん、田中の発声はTVでの発声と変わらないので聞き取れないのは残念であった。
2022年12月24日から30日まで、3500円で配信もされるみたいである。
まず舞台が大きすぎる。
小さな舞台がこの劇には合っている。約300人程度の小劇場が良いと思う。
宮崎くんだりまで来て公演をするのだから、大きな劇場ではないと元は取れないのであろう。
長崎を舞台に展開されるので、台詞は九州弁が使われるので宮崎でも行ったと思える。
わきを固めた役者に、田中は救われたと行っても過言ではない。
帰りは小雨が降っていた。
清水邦夫の「タンゴ冬の終わりに」をもう1度見てみたい等と考えながら駐車場に向かった。
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