平日だというのに、今週一杯で終わるアートたけし展は、盛況だった。
私は障害を抱えているので無料。だから、行く気になったのは本音である。
働けなくなった私のささやかな妻からのプレゼント。妻は1000円払った。お金を取られる
のなら、働いてない身の私が行くはずもないが、朝から起きることが出来、
妻も何気なく、今日いこうか?と誘ってくれ、妻の運転で会場まで行った。
非常にきめの細かいタッチの絵が多かった。
デフォルメされているのは、くまさんの影響か?ピカソにたけしがなったからか?
もともとはフランスで行われたのが初めらしい。なぜ日本ではしないのか、という
わけで、東京からスタート、なぜか3番目くらいに宮崎が入った。
5万円の版画を10枚買おうとしたが、10枚で50万、安い買い物は勿論妻から失笑されできなかったが
絵葉書位で我慢しなければならないだろう。
絵は売らないと、映像が流れた。400円で買われるとみっともないと彼は言うが
何億も値を付ける人がいるのを、ダンカンは死んだら、ちょうだいと言っていたが、
北野武の描いた絵、版画を思う存分堪能することができた。
圧巻は、たけしが事故を起こし、TVに出られなかった時に描いた絵だ。
6畳の部屋が埋まる位の巨大な作品で、聖母マリア様が沢山描かれていた。
聖母マリアに自分の命を生かされた気持ちが伝わってきた。
隣で妻がなにを思いながら描いたのでしょうね、と呑気に言ったが
生かされてしまったたけしのやり場のなさを感じ、おそらくはマリア様に
救いの手を差し出していたのではないかと思う。
宮崎で行われる事自体が不思議な(東国原のふるさと)感じがしたが、
非常に貴重な体験だった。色ずかいは鮮やかで、暗い感じはしない。
絵画が絵描きのためだけにあるのではなく、たけしの影響力の力で、絵が生きて来るのを
感じた。技術ではない。技法ではない。たけしは、子供の頃の絵に負ける絵は、売れないとも語っていたが
まさにその通りだろう。しかし子供の頃では描けなかった絵が大人のたけしを表すのであろう。
絵葉書を見ながら、今日はよかった、良い1日だったと思う。
生きているだけで様になる存在、それは北野武に間違いない。
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