「おちょやん」に見る日本人の価値観のずれ。芝居が分からない日本人。

Ochoyan in Japan

日本の国営放送、NHKの朝の連続ドラマシーリーズ「おちょやん」が、5月14日に最終回を迎え終了した。

「おちょやん」は、戦前、戦後を背景に、喜劇女優、浪花千栄子の半生を描いたストーリーである。平均視聴率は、全115回、関東地区で、17.4%、関西地区で17.2%、最高視聴率は関東地区で、3月5日(金)18.9%、関西地区で、最終回の5月14日(金)18.9%となっている。おちょやん平均視聴率17.4% 総集編は6月19日:朝日新聞デジタル (asahi.com)

視聴率 – Wikipedia

によると、日本では、ビデオリサーチが2000年3月以降、リアルタイムでの視聴率調査を行っている。2020年3月30日から、機械式(PM)の個人視聴率調査・タイムシフト視聴率調査を全国で適用し、関東・関西地区の調査対象を2700世帯に拡大したと記載されている一方で、2000年3月以降は、関東・関西・名古屋・札幌・仙台・福島・新潟・静岡・岡山・香川・広島・北部九州で毎日実施され、青森・岩手・秋田・山形・富山・金沢・長野・大分・鹿児島・沖縄では、毎月、第1月曜日(4月と10月は、第2月曜日)から2週間調査を行っていると記されている。

視聴率は、全国まんべんなく調査が行われていると思われるのにかかわらず、「おちょやん」の視聴率を調べてみると、関東地区と記載されている記事が多い。

朝日新聞デジタルでは、わざわざ、関東地域と関西地域が分けられているのにも疑問が起こる。

「おちょやん」の視聴率の低さは、関東の人間には、関西の文化が受け入れられないことも可能性が高いと思っていた私の期待は、見事に裏切られたように思われるのであるが、日本全国で行われている調査を、なぜ一つにまとめていないのか疑問に残るところである。

果たして、この視聴率に信憑性はあるのだろうか、と思いたくなるほどである。関東と関西の視聴率が同じであるはずはない。関西の視聴率が高いのが当然であるのに、それが数字に表れていないことへは不信感を覚えてしまう。

いずれにせよ、20%を超える視聴率は、1度もなかったのであるが、ネットでの評判は決して悪くはない。それどころか高評価ばかりだと言っても過言ではない。

視聴率の低さの原因として、多く見受けられるのが、全体の雰囲気が暗いという意見が多い。朝、出かける前に暗い雰囲気は見たくないと分析されている。

青空が少ないなどという意見が大半を占めている。

これが日本人の実態であろう。暗いものには見ぬふりをして、見かけだけの明るさだけで判断している。真の言葉は、暗いか明るいかであり、もうこの国には真実を見抜く力はないと思われる。

日本人は、良いものが分からない、自分だけが明るいだけで他人のことは、考慮しないという国民性になってしまったようだ。

私はこの喜劇の質は極めて高いと思う。シェイクスピアの劇を、当時の人は、芝居を聞きに行くと言った。芝居は観るものではなく、聞くものだということである。この「おちょやん」のセリフはまさに、セリフの掛け合いのリズムが素晴らしく、関西弁がそれに大きく寄与していると思う。

芝居は聞くものだと言った、エリザベス朝時代の、乞食から女王までの人たちは、身分にかかわらず、シェイクスピアの劇を鑑賞することができた。

しかし、日本人にはもうそのような感性はなく、良いものが視聴率という言葉によってなくなってしまうことになってしまう文化になり下がってしまった。

日本人の多くは、歌舞伎も能も鑑賞する力はないと思う。

Ochoyan in Japan

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

竹 慎一郎

コメント

コメントする

目次