2021年3月25日(木)、福島県から聖火リレーがスタートした。福島は、あのおぞましい東日本大震災から10年経過しており、復興の象徴として日本全国に希望と勇気を与えるという意味合いを持つ。毎日のニュースでは全国を回る聖火リレーの話題は取り上げられるのであるが、街頭に群がる人々の規制も置かれていて、盛り上がりには欠けるのは日本でも事実であると思われる。
2021年7月23日から8月8日までの開催予定であるが、後4か月も経たないうちにオリンピックが始まるとは考えにくい。
緊急事態宣言の解除による、新型コロナの感染者の増加がその直接的な原因である。大阪府の新型コロナウイルスの感染者数は、4月7日には800人台後半となることが報道されている。東京都では、399人の感染が確認され、埼玉県では116人、愛知県では112人など、全国で2556人の感染と28人の死亡が確認されている。
国の対応は、12日から65歳以上の高齢者に対する新型コロナウイルスの接種が始まると報じられている。十分な量のワクチンは確保できるといわれているが、コロナの発症者は若者や会社員なので、日本全土にワクチンが伝わるまでは相当の日数がかかると想像できる。
新型コロナはワクチンの接種の前にますます拡大していくかもしれない。緊急事態宣言の解除は早急過ぎたと言わざるを得ないのだが、国としては、これ以上飲食店など、直接の被害を被る人たちへの支援金は出せないと考えたのだろう。事実、飲食店の倒産の数は尋常ではないくらい増加しているからだ。
日本国民には全員1律、10万円の一時金は配布されたが、再度配布の声も多い。これを回避するためには、緊急事態宣言の解除の方を選んだのではないかと思われる。
著名人からの、オリンピックの中止の声も大きくなっている。本日7日、楽天の三木会長は、「五輪開催は、リスクが大きすぎると思っており、反対です。」と述べている。また、その理由として「アスリートの方々には本当に申し訳ないけれど、一生懸命生きているのはアスリートだけではないので。」とTwitterにツイートした。
しかし、このオリンピックに向けて会場の建設など莫大な費用が費やされている。開催費用は、3兆円と言われている。以前は、不景気の日本がオリンピック景気で少しは持ち直すのではないかと期待感も大きく、オリンピック関連株は一時期上昇したのもであるが、もしかしたら、3兆円をどぶに捨てることにもなりかねない。これは絶対に防がなければならないと国は思っているのであろう。
しかし、その引き換えに新型コロナの感染者数は広がり、日本の経済自体の破綻が来るのも覚悟しておかなければならいであろう。
3兆円と日本の将来とどちらを選択するのだろうか。
今日も、聖火ランナーは日本を走りまわっている。
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