3ヶ月でピアノマスター!? 〜楽譜との楽しい付き合い方〜 (2)

ピアノ 3カ月

大人のためのピアノ入門 第2回

🎵 はじめに:楽譜との「再会」にドキドキ

小学校以来の楽譜との再会。「ドレミファソラシド」を思い出すだけで、なんだかお腹がキュッとなりませんか?私も大人になってからピアノを始めた一人ですが、最初は五線譜を見ただけで目が泳ぎそうでした。でも大丈夫!今回は、ピアニストの本田聖嗣さんと一緒に、大人の視点で楽譜を「攻略」していきましょう。

💡 衝撃の事実:楽譜は「親切」に書かれている

「楽譜って、音符を追いかけるものでしょ?」 というあなたに、本田さんは優しく首を振ります。

「実は楽譜には、作曲家が最も伝えたいことから順番に書かれているんです。まるで”料理のレシピ”のように。」

以下の順番で、音楽の「設計図」が示されています:

  1. テンポや曲調
    • Allegro(アレグロ)=速く、生き生きと
    • Andante(アンダンテ)=ゆっくり歩くように
    • Moderato(モデラート)=適度な速さで
  2. 拍子記号
    • 4分の4拍子=1小節に4つの4分音符
    • 4分の3拍子=ワルツのようなリズム
    • 8分の6拍子=揺れるような心地よいリズム
  3. 調性
    • ハ長調=シャープやフラットがない、初心者に優しい調
    • イ短調=少し物悲しい雰囲気を持つ調
    • ト長調=明るく開放的な印象の調
  4. 強弱記号
    • f(フォルテ)=強く
    • p(ピアノ)=弱く
    • mf(メゾフォルテ)=やや強く

🎹 実践編:ジムノペディで楽譜読解にチャレンジ!

サティの「ジムノペディ第1番」を例に、実際に楽譜を読んでみましょう。

「まずは全体を見渡してください。」と本田さん。 「この曲の特徴は、左手の伴奏が同じパターンを繰り返すことです。」

左手のパターンを見てみましょう:

低い音:ミ → レ → ミ
中音部:シ → ラ → シ

このパターンが、まるで小舟が揺れるように繰り返されます。

右手のメロディは:

ミ → レ → ド → シ → ラ

という下降形が特徴的。まるで雨粒が静かに落ちていくような印象です。

😊 大人の特権:パターン認識力を活かそう

子供の頃と違って、大人には「パターンを見抜く力」があります:

  1. フレーズの認識
    • 同じメロディの繰り返しを見つける
    • 変奏部分(少し形が変わった部分)を特定
    • 曲の区切りを把握
  2. 和音進行の把握
    • 基本的な和音の組み合わせを理解
    • コード進行のパターンを覚える
    • 左手の伴奏形の規則性を見出す
  3. 曲の構造分析
    • ABAなどの曲の形式を理解
    • クライマックスの位置を特定
    • 繰り返し記号の活用

これらの力は、実は普段の仕事でも使っている能力なんです!

🎵 具体例:ショパン「革命」のアプローチ

本田さんが推奨する学習ステップ:

1. 全体構造の把握

  • 導入部、展開部、終結部に分ける
  • 左手の荒々しい16分音符の動きに注目
  • 右手の劇的なメロディラインを確認

2. 部分練習のポイント

  • 左手の16分音符は、まず4分音符で練習
  • 右手のオクターブは、まず単音で練習
  • テンポは最初は4分の1程度から

3. 効率的な練習方法

  • 4小節ずつのブロック練習
  • 左右別々に完璧になるまで繰り返す
  • 少しずつテンポを上げていく

😅 よくある「初心者あるある」と対策

  1. 「音符を1つ1つ追いかけ回す症候群」
    • 症状:楽譜を目で追いかけすぎて、指が止まってしまう
    • 対策:4小節単位で区切って練習する
    • 効果:音楽の流れを把握しやすくなる
  2. 「左手が右手に付いていけない病」
    • 症状:左手の伴奏が不安定で曲が進まない
    • 対策:左手だけを集中して練習する時間を作る
    • 効果:安定したリズム感が身につく
  3. 「記号を無視して突っ走る現象」
    • 症状:強弱記号やスラーを見落として演奏が単調に
    • 対策:記号に蛍光ペンでマーキング
    • 効果:表現力豊かな演奏が可能に

🌟 実践的なアドバイス:サティ「ジムノペディ」の練習法

1日目:

  • 左手の伴奏パターンを覚える(20分)
  • 右手のメロディを歌いながら弾く(15分)
  • 強弱記号をチェック(5分)

2日目:

  • 左手を少し速くする(15分)
  • 右手の表現力を磨く(15分)
  • 両手合わせを少しずつ(10分)

3日目以降:

  • 両手合わせの完成度を上げる
  • テンポをゆっくり安定させる
  • 音色の違いを意識する

📝 楽譜との上手な付き合い方

  1. マーキングを活用する
    • 重要な記号に色を付ける
    • 繰り返しパターンを見つけてマーク
    • 難所には付箋を貼る
  2. 練習計画を立てる
    • 1週間の目標を設定
    • 毎日の練習ポイントを決める
    • 達成感を味わう
  3. 録音して聴き直す
    • 客観的な耳で確認
    • 改善点を見つける
    • 進歩を実感する

😊 おわりに:大人だからこそできる楽譜との付き合い方

本田さんの言葉が印象的でした。 「楽譜は作曲家からのラブレター。一つ一つのメッセージを受け取る喜びを大切にしてください。」

今日からできること:

  • 楽譜を「読む」前に「眺める」時間を作る
  • 気になる記号はすぐにスマホで調べる
  • 難しい部分は印をつけて講師に質問する

次回予告:

第3回は「実践編:基本の運指とリズム取り」 あなたの指が、少しずつピアノと仲良くなっていく様子をお届けします!

本田先生からの心に染みる一言: 「完璧を求めすぎないでください。音楽は感動を共有するもの。まずは楽しむことから始めましょう。」

さあ、明日からのピアノ練習が、少し楽しみになってきませんか? 楽譜との新しい出会いが、きっとあなたの音楽生活を豊かにしてくれるはずです。

ピアノ 3カ月

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竹 慎一郎

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