妊娠して、高校1年生の二人は退学した。
彼らは一体どうなったのだろう。
ある先生は、こんなことになって、再びまた行為
に及ぶことは考えられないと言ったのを覚えている。
未婚の若い女の先生の言葉だったので、ちょっと驚いたからだ。
たしかにそうだろう、もう2度と子作りにははげめないだろう、私も
そう思った。退学して、2年後。
駅で私を呼ぶ声。
先生!先生!
その時は長い休職から復帰していたので、ほんとに先生だった。
男の子がさっと後ろを振り返り、顔を伏せた。
女の子が手を振っている。
あの時の2人だった。別れてはいなかった。
私は、再び会えて、嬉しかった気持ちをそのまま伝えた。
女の子は、通信高校でホームヘルパーを目指していると言う。
男の方はしばらく顔を伏せていたが、やがて顔を上げて、コンビニで
働いていると言った。これから、若い2人の道のりは厳しいかも知れない。
しかし、あの時、もし産んでいたらどうなったのだろう。うまくいったかも
別れていなくてよかった。
皆、3年生。2人は高校を離れ、懸命に生きている。
それだけのことではあるが、1つ決着を付けることができた。
この事件で私は、高校を去ろうと思ったこの事件への。
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