上野 紀子(うえの・のりこ)
基本プロフィール
| 氏名 | 上野 紀子(うえの・のりこ) |
|---|---|
| 生年月日 | 1940年(昭和15年)9月29日 |
| 没年月日 | 2019年(平成31年)2月28日 |
| 享年 | 満78歳 |
| 出身地 | 埼玉県 |
| 国籍 | 日本 |
| 職業 | 絵本作家・イラストレーター |
| 活動期間 | 1970年代〜2010年代 |
| 主な共作者 | なかえよしを(夫) |
上野紀子とはどんな絵本作家だったのか
上野紀子(うえの・のりこ)は、日本を代表する絵本作家・イラストレーターです。埼玉県に生まれ、長年にわたって子どもたちに愛される絵本を数多く生み出しました。夫でありパートナーでもある絵本作家・なかえよしをとのコンビで知られ、二人三脚で創作活動を行ってきたことでも広く認められています。
上野紀子の絵は、温かみのある柔らかなタッチと、子どもの心に寄り添う表情豊かなキャラクター描写が特徴的です。難しい言葉や複雑なストーリーがなくても、絵だけで感情や場面を伝える卓越した表現力は、世代を超えて多くの読者の胸に刻まれています。
生い立ちと絵本作家への歩み
埼玉から始まったアーティストへの道
1940年(昭和15年)9月29日、上野紀子は埼玉県に生まれました。戦中・戦後の激動の時代を生き抜き、子ども時代から絵を描くことへの情熱を育てていきました。やがて同じく絵本の世界を志す「なかえよしを」と出会い結婚。文章をなかえが、絵を上野が担当するスタイルで、後に日本の絵本界を代表する大ヒットシリーズを生み出す礎となります。
「ねずみくんのチョッキ」誕生の背景
1974年(昭和49年)、フレーベル館より刊行された『ねずみくんのチョッキ』は、上野紀子となかえよしをコンビの代表作です。真っ赤なチョッキを着たねずみくんが、次々とやってくる動物たちにチョッキを貸してあげるうちに、どんどん伸びてしまうというユーモラスな物語。シンプルな繰り返しの構造が子どもたちの笑いを誘い、読み聞かせにも最適な一冊として保育の現場でも長年支持されてきました。
主な代表作一覧
| 作品タイトル | 刊行年 | 出版社 | 特記事項 |
|---|---|---|---|
| ねずみくんのチョッキ | 1974年 | フレーベル館 | シリーズ第1作・ロングセラー |
| ねずみくんのきもち | 1975年〜 | フレーベル館 | シリーズ続編 |
| ねずみくんとねこくん | シリーズ内 | フレーベル館 | 個性豊かなキャラクターが人気 |
| ペネロペシリーズ(絵担当) | 1990年代〜 | 各社 | フランス発キャラクターの日本版 |
| なかえよしをとの共作多数 | 1970年代〜 | 複数 | 50作品以上 |

上野紀子の絵の特徴と魅力
上野紀子の絵のスタイルは、一目見ただけで分かる独特の温かさと親しみやすさを持っています。緻密な背景よりもキャラクターの表情と動きに重点を置いた描き方は、子どもが物語に集中しやすい環境を自然につくり出します。
柔らかく丸みのある輪郭線と、パステル調の温かな色彩が読者を優しく包み込みます。
小さなキャラクターたちの喜怒哀楽が細部の描写で的確に伝わり、子どもが感情移入しやすい。
文字が少ない場面でも絵だけで次の展開を想像させる構成力は、読み聞かせに最適です。
繰り返しのパターンを巧みに使い、子どもが「次はどうなるの?」と前のめりになる展開を生む。
上野紀子 主要年表
| 年 | 出来事 |
|---|---|
| 1940年 | 9月29日、埼玉県に生まれる |
| 1960年代 | 絵本・イラストの仕事を始める。なかえよしをと出会い結婚 |
| 1974年 | なかえよしをとの共作『ねずみくんのチョッキ』をフレーベル館より刊行。大ヒット |
| 1975年〜 | 「ねずみくん」シリーズ続編を次々と刊行、シリーズ化 |
| 1980〜90年代 | 絵本作家として多数の作品を発表。保育・教育の現場で広く愛読される |
| 1990年代〜 | 「ペネロペ」シリーズ日本語版など活動を拡大 |
| 2000年代〜 | シリーズ継続刊行。読み聞かせ文化の定番作家として不動の地位を確立 |
| 2019年 | 2月28日、満78歳で永眠 |
日本の絵本文化への貢献と影響
保育・教育現場での定番作品
『ねずみくんのチョッキ』をはじめとする上野紀子の作品は、保育園・幼稚園・小学校の読み聞かせの場に深く根付いています。繰り返しの構成は、子どもたちが自然と物語のリズムを覚え、言葉の習得や感情の理解を促す効果があると保育士や教育者からも高く評価されてきました。
親から子へ受け継がれるロングセラー
1974年の初版から50年以上が経った現在も、「ねずみくんのチョッキ」は書店の棚から消えることなく読まれ続けています。かつて子ども時代に親しんだ大人が、今度は自分の子や孫に同じ本を手渡す——そんな世代を超えた絆を紡ぐ絵本として、日本の出版文化史に確固たる足跡を残しました。
まとめ:上野紀子が残したもの
2019年2月28日、上野紀子は満78歳でこの世を去りました。しかしその作品は今も書店に並び、日本中の子ども部屋に届けられています。シンプルだけれど深い——そんな絵本の本質を追い求めた彼女の創作姿勢は、これからも多くの絵本作家やイラストレーターへの道標となり続けるでしょう。
上野紀子が夫・なかえよしをと共に積み上げた絵本の世界は、笑い、やさしさ、そして子どもへの深い愛情に満ちています。その温かな絵の世界は、時を超えて読み手の心に生き続けています。
子どもの心に小さな灯りを灯す。
——上野紀子の作品が伝え続けること

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