今から5年前の2015年7月初版の本著は、出版に至るまでの20年間にわたるルポの形式をとっている。
新聞記者の時代の経験から述べられる文章には迫力が感じられる。
出版から5年が経過した現在、ごみ問題がどのように移り変わり、その後どういう方向に向かうのかを考えさせる内容となっている。
いわゆる、循環型社会の構築にはリサイクルの問題の解決を考えなければならないが、それには利権が複雑に絡みあい、問題解決が容易ではないことが思い知らされる。
本著は、国、地方自治体から一般社会、また海外にまで視点を向け、縦横無尽に問題点を探っている。
出版から5年の歳月を埋め、これからのごみ問題を解決に導くのは私たちの責務ではないだろうか。
そのためには、今住んでいる地域の現状を知り、そこから各地域、都道府県に視点を拡大し、更には国のあり方も考えなければならないだろう。
もちろん、同時に日本以外の国の取り組みにも目を向けなければならない。
本著は、5年前に書かれた古い内容ではなく、その後の問題解決への糸口を探るように私たちに今でも問いかけているのではないだろうか。
ごみの根幹は人間である。
大きな問題ではあるが、人間が存在する限りごみの問題はつきまとうことになる。
reduce, reuse, から真のrecycle への道のりはほど遠く感じられるのだが、解決しなければならない問題である。
人間がごみだと言われないように。
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