「ぬかるみの世界」昔住んだ家。過去の思い出は記憶の果てに。

the muddy world

中高生の時、BCLと言って、外国の放送局を聞いて、その感想を書き送られてくるベリカードを集めることが流行った時期があった。

イギリスのBBCやエクアドルの声、そして北朝鮮の放送も聞いていた。短波放送なので、当時厳しかった父がなぜか専用のラジオを買ってくれて毎日のように海外の放送を聞いていた。

世界は狭いと思った。チャンネルを合わせるだけで、世界中の放送局が聞けたからだ。日本語放送もあったが、英語や韓国語などもあり、適当な英語でその番組のことを書き、実際に外国からベリカードが送られてくるのは、世界と触れていると感じた。

北朝鮮は、当時、日本語放送があり、ベリカードが送ってきたのには驚いたものだった。「キミンソン」という言葉が繰り返し述べられているので、そのまま「キミンソン」と書いたら、北朝鮮の偉大な指導者の名前が間違っていると、日本語で読んだ時には、何もなければよいがと本気で思ったものである。

金日成(きんにっせい、キム・イルソン)の名前は、何度聞いても、「キミンソン」としか聞こえなかったが、大抵の放送局は1枚のベリカードしか送られてこなかったが、北朝鮮からは10枚程度の絵葉書が送られてきて大切なコレクションとなった。

短波放送だけではなく、中波の国内のラジオ番組も聞くようになっていた。宮崎放送では聞けない番組である。

1978年4月~1989年10月まで「鶴瓶・新野のぬかるみの世界」が、ラジオ大阪で放送されていたらしい。その間の2年位を聞いたということが、Wikipedia(鶴瓶・新野のぬかるみの世界 – Wikipedia)で判明した。時間帯は、日曜日の24時~26:30と記されている。もしこの時間を全部聞いていたとすれば、月曜日の学校生活がいかにおろそかになっていたかが分かる。

この番組に合わせて、「ぬかるみの世界」という本が2冊出版された。本屋に注文して買ったと思う。

私はその本を、ラジオ大阪に送り、お二人のサインをしてもらい、返信用の封筒で送り返してもらったほどその番組は、危機的な私を救ってくれたのだったと思う。

しかし、その本を見た母は、あきれてそんな本は買ってはダメだと怒られた思い出がある。

the muddy world

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

竹 慎一郎

コメント

コメントする

目次